
自民党安全保障調査会(会長・浜田靖一元防衛相)は25日、党本部で全体会合を開き、国家安保戦略など安保3文書の年内改定に向けた政府への提言案を大筋了承した。非核三原則の見直しや原子力潜水艦の導入については触れず、米国が求める防衛費増額の数値目標も設定しなかった。日本維新の会とはこれらについて見解が異なるため、与党としての提言はまとめられず、6月上旬にも政府に提出する方針だ。
非核三原則のうち「持ち込ませず」については、有事の際に米国の核抑止力が弱まる懸念から見直すことが高市早苗首相の持論だが、提言案では非核三原則には言及せず、「米国が提供する核抑止力を中心とした拡大抑止の信頼性を一層確保する」との表現にとどめた。
会合後、大野敬太郎安保調査会幹事長は記者団に対し、「もっと高次の議論が必要なので扱わなかった」と説明した。
また、長射程ミサイルを運用する次世代動力の潜水艦を検討するとしたが、その対象として原子力潜水艦とは明記しなかった。本田太郎安保調査会事務局長は「動力として原子力を排除しているわけではない。詳細な検討は今後、政府の中で行われるだろう」と述べた。
防衛費に関しては、国内総生産(GDP)比3.5%への増額を掲げる韓国や北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国、3%とするオーストラリアを例示したが、現行の2%からの新たな数値目標は設定しなかった。本田氏は「財源をどうするのかという議論と、防衛力を強化する中で何も言わないのはどうかという中での難しい判断だった」と説明した。